東洋医学的歯科治療のQ&A


 Q.
  最近、顎が痛くて口が開きづらいのですが・・・。

A.
  口を開ける時に、顎が痛かったり、音がしたり、時には口が開かなくなってしまう病気が顎関節症です。特に、先進国を中心に若い女性に急増しており、一時人気歌手がかかったことで、有名になりました。以前は、咬み合わせだけが原因と考えられていた時期もありましたが、その後、精神的ストレスや不安が重要な要因になることも解明され、現在は咬み合わせ治療以上に、Biopsychosocial(生物・心理・社会的)アプローチが必要と考えられています。また、通常の虫歯の治療のように、削って、詰めて終了というような、原因除去して簡単に.治る病気ではなく、診査・診断し、症状の経緯に合わせて管理していくという治療法になります。
発症するきっかけとなることは、大きく口を開けすぎたり、開け続けていたりすること、打撲や外傷、固いものを噛んだ場合、急激な咬み合わせの変化、ストレス下(受験、惜別など)でのくいしばりなどがあります。

  一般的な治療法として、強い噛みしめの防止、消炎鎮痛剤の服用、温湿布などの理学療法、スプリント(マウスピース)療法、咬合調整などがありますが、当研究所で長年研究・実践してきた様々な代替医療も有効なことがあります。(表1)

  以前からの本コーナーでも紹介している、顎関節相当部や頚肩部のツボにゴム電極等を貼付する低周波ツボ通電法、鍼灸治療として置針や灸頭針、邪気を取る目的でごしんじょう療法などを行います。また、連動する全身の筋肉及び脊椎を調整するために、マッサージ師、整体師、カイロプラクターと連携して、施術を行うこともあります。

  原因がなかなかわからない場合は、バイデジタルOリングテストが、その一助になります。特に局所的なウイルス感染や、重金属の蓄積によって発症している痛みなどには、最適な治療法を選択することができます。 

  精神的因子も大きい病気ですから、ホメオパシーや波動療法が有効なこともあります。
  いずれにしても、症状が続く場合には、悩みを早く解消することが長引かせない秘訣でもあり、信頼できる歯科医に一日も早く相談することが大切です。

(表1)

 

筆者

歯科医師・医学博士 福岡 博史

医療法人社団明徳会 福岡歯科 理事長

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 Q.
  口の中の金属は何故変色するのですか?そのことで何か体に影響はないのですか?

A.
  歯科治療で使用する金属の成分は金、白金などの貴金属から銀、銅、スズ、パラジュウム、コバルト、ニッケル等々様々です。これらの金属を混ぜ合わせた合金を、詰め物、被せ物、ブリッジや入れ歯等に使っています。

 確かにきれいに研磨した金属を入れても、時間の経過とともによく変色してしまいます。これは金属の酸化と腐蝕(ふしょく)によるものなのです。銀製品が黒くなってしまうことはよく知られていますが、これが酸化です。一般的に貴金属はこの酸化被膜ができにくいので、きれいな光沢を保つことができるのです。

 身体に悪影響を及ぼし問題となるのは、『腐蝕』のほうです。

 『口の中が電池になっている!』聞いたことがありますか?

 唾液の組成は、97%の水とNa, K, Ca,などの無機物、およびムチンなどの有機物よりなっています。口腔内に2種類の金属が存在すると、この唾液を電解質溶液としてイオン化し易い方の金属が溶けだして『腐蝕』が起こります。溶け出した金属側はマイナスに帯電して他の金属との間に電位差が生じて微電流が流れるのです。もちろん非常に小さいもので、本人は感じることは出来ません。

 また、その他に口腔内のバクテリアによる『微生物腐』、噛み合わせや歯磨きなどで起きる『擦過腐蝕』、強い噛み締めの圧力による『応力腐蝕』などもあります。

 これらの『腐蝕』により溶け出した重金属は体内に取り込まれた後、大部分は排泄されますが一部残留し、金属アレルギー、リューマチ、アルツハイマー、自閉症など、様々な疾患にかかわっていると言われています。

 ではこの残留金属にどのように対応すればよいのでしょうか。

 現在では、髪や爪から身体に取り込まれた金属種、量を分析出来ます。口腔内の微電流を測定する事により溶け出した金属の量を推定することも可能です。(図1)

 同じ金属を使っても溶け出す量や影響を及ぼす量には個人差があります。歯科の金属が影響していると考えられるケースでは関係金属の除去とその部分のつめかえを行います。最近話題のデトックス(解毒)療法では排泄を促すサプリメントの服用、キレーション療法、低温サウナ、岩盤浴、ホットヨガ、リンパ・ドレナージュ、リフレクソロジー、スカルプ・ケアなどが行われています。

 もちろん金属摂取が口腔内金属からだけとは限りませんし、(飲食物、化粧品等)必要なミネラルも有りますので信頼出来る医師、歯科医師とよく相談をし、両者の連携の中で治療することが必要でしょう。

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筆者

歯科医師 藤 兼次

医療法人社団明徳会 
福岡歯科 統合医療研究所DC(歯科室) 院長

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 Q.
  歯科治療の時にできるだけ麻酔をしたくない。麻酔をしたとしても最少限にしたい。

A.
  誰もが「痛くない歯の治療」を希望するものです。

 ここ最近では、レーザーによる虫歯の切削や、カリソルブという薬剤を使用して虫歯になった象牙質を選択的に溶解する治療法も登場しています。また、従来のモーターを使用してギア比を変え5倍速にした切削器具も多用されています。これは、エアー・タービンのような、あの「キーン」という音がなく、低回転・高トルクで削る為に、歯髄(歯の神経)が健全な歯でも痛みを感じにくく、発熱も少ない為に歯髄にとっても障害を与えにくいという特徴があります。

 一方、歯槽膿漏でグラグラして動揺のある歯を東洋医学でいう経穴(ツボ)に鍼麻酔・氣圧等をして無麻酔で抜歯を行う時以外の、通常の抜歯や、虫歯が大きくなってしまい歯の神経をとる処置(抜髄)等の治療の際は麻酔をします。この麻酔薬には、アレルギー・中毒反応・神経性ショックなどの全身的偶発症を起こす可能性があり、DNAを破壊するのではないかとの報告もあるくらいです。また、歯肉に注射針を刺し入れただけで、血圧が10%上昇すると言われていますが、ほとんどの歯科用麻酔薬には血管収縮薬が添加されており、さらに血圧が上昇してしまいます。今まで歯科医師としては、途中で痛みが出ることが心配で、多めに注入していたのは事実です。歯科治療後、麻酔覚醒まで、歯肉や口唇の麻痺感、腫脹感は誰しも残り、やけどをした、会話しづらい、口唇を過って噛んでしまったという経験をした人もいると思います。

 局所麻酔に使用する薬液の量は、少なければ少ない程、望ましいのです。そこで、中国の鍼麻酔の原理を応用して、治療する歯に合うツボを選んで磁石電極や導電性ゴム電極を貼り、経皮的に低周波の通電をすることにより麻酔薬の使用量を少なくできることは知られていました。その科学的根拠を求めるために、すでに文献として報告されている大臼歯部の抜歯、および抜髄処置時の歯科用麻酔薬使用量をコントロールとして、メタアナリシス(meta-analysis)を用いて解析し、当院に来院した226名の方(患者様)を対象として、合谷穴および顔面適用穴に経皮的低周波ツボ通電法(TEAS)を施術した際の使用量の減量効果を調査してみました。

 そのデータによりますと、なんとTEASを行っていない論文の平均値の約半分の使用量で奏功しました。(グラフ参照)歯科治療時に麻酔薬の使用量を減らすことにより、全身への影響は少なくなり、覚醒も早くなり局所の循環もその分だけ早く回復します。

 このようなツボ刺激療法によって、ホメオスターシス(人が常に生理的な状態を保とうとする力)が高まり、自然治癒の能力が円滑に働いて、抜歯後の出血が少なく、痛みも腫れもなくなり、抜歯後の傷口の治りが早いなど、様々な利点があります。

合谷と下関、頬車にTEAS


【抜歯】






【抜髄】

 

 

筆者

歯科医師・医学博士 西原 雅史

医療法人社団明徳会 福岡歯科 郵船ビル院 院長

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